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インタビュー企画(2):「History」の制作者の平松守瑠さんからー

インタビュー

作品概要:「History」

東京を覆い尽くすように張り巡らされた鉄道。東京の鉄道情報をもとにさくせいしたインスタレーション。多摩を中心に移動している人を可視化し、今の東京の姿を捉え直す。NFCリーダで交通履歴を取得し、鑑賞者はさまざまな東京の姿を観ることができる。そして、県境では表せない東京の姿を体験しようとする試み。

 

 

ひろい展示空間のでもひときわ目を引く本作品。来場者の交通ICカードを読み取り、インスタレーション作品として可視化する。なぜこのような作品を作ろうと思ったのかを伺ってみました。
 

「多摩センターを利用する人の交通履歴から東京の姿を描き直したかった。」
 

東京都に張り巡らせれている鉄道の路線に焦点を当てることで、多摩センターの利用する人の”東京の形”を表現し、多摩センターを中心として公共性を再定義する」ことを目指した作品とのことでした。

 

作品の見た目もその発想も個性的なインスタレーションを展示した平松さん。しかし、3年生の前期は自分の独自の作品をつくるのに苦労した時期もあったといいます。良さそうなアイデアにインスパイアを受けて制作してみたり、プロジェクションマッピングのワークショップを開いて参加者の作品を展示してみたりなど色々取り組んだとのことでした。

 

「インプットとして作品を観るということが多かったんですけど、前期の時点では自分の作品に落とし込めるということが少なくて。あまり作品もまだ作っていなくて自分として想像が難しかったということがありました。ただ、後期からは授業を通して制作した作品や外部でみる作品が自分の作品にどんなふうに落とし込めるかというのを想像できるようになったからこそ、上手くいったのかなと思います。それに加えてどれだけ時間をかけたかというのもあると思います。プロジェクトの授業時間以外でも、どれだけProcessing(描画に長けたプログラミング言語)に時間をかけたかというあると思います。自分なりに試したことが作品に結びついたというかんじがします。」

 

鑑賞してくれたお客さんは「History」によって、自分が利用した交通履歴を見返したり、他の鑑賞者と見比べたりしていたそうです。それをみた平松さんは、たとえば「History」を新宿駅をよく利用するお客さんに作品の鑑賞者になってもらえば、新宿駅と多摩センター駅を利用する人が見る東京の地図の形が変わり地域の特色が見えるようになるのではと気づき得たと言う。平松さんは来年度から大学院の道に進むという。若きメディアアーティストから目が離せない。

 

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