作品概要:「ひょうしきさん」
街中にあふれいている標識に個性を与える。標識に手触りを与えアニメーションを製作することでピクトグラムの性格を想像することできる。
製作者の谷口さんの作品だけではなく、展示当日にワークショップを開催し来場者にも作品を制作してもらう機会を作っていました。そのため自分で作品だけではなく来場者の作品も一緒に展示されていました。
参加者にはプログラミングどころかPCもあまり触ったことのない方もいますが、スムースにワークショップを進めていました。そんな谷口さんですが、元々は自分の考えを人に伝えることに苦手意識を持っていたそうです。どのように初めての方に作品を説明のみならず、作品制作のワークショップまでできるようになったのでしょうか。
「プロジェクトに参加していて自分の意見を言わないと行けない場面が多くて。苦手なだけど、頑張れる機会を貰えたんだって思うようにして、それで少しづつ自分の意見を言うようになりました。あと仲間内で自分のワークショップを体験する機会をつくったりして。同じ環境とはいえ、みなアクシデントがあって。けどそれも楽しかったりです(笑)、それがあって一般の方向けにどうしたらいいか考えました。」
谷口さんいわく、自分が楽しいなと感じたものを作品にして、みんなが楽しんでくれることが嬉しかったのとのことでした。標識のピクトグラム動きを与えるという作品のきっかけも、ひと気がなくちょっと寂しい場所にあったトイレの標識、それが動き出したら空間の雰囲気がちょっと明るくなるかな、自分の頭の中のくすっと想像したことを作品にできないかということが始まりだったようです。
お客さんの反応で嬉しかったこととして、ワークショップの参加者には谷口さんのおばあちゃんの年代の参加者も一緒にできことや、作品を見てくれた先輩から普段の生活にある標識を見つけて谷口先生さんの作品を思い出したと言ってくれたこととのことでした。
最後に谷口さんが作品を作るときに今思っていることについてこのように話してくれました。
「なんか日常を楽しめるものを作りたいなと思ったんですけど、作ったものを全ての人の日常に置くのはちょっと…不可能だって。けど、だから作品を思い出してもらって、間接的にあんなことあったなって、楽しめてもらえたらいいなっていう。」
日常に存在するものをモチーフにくすっと笑える想像力を持てること。それが日常をふとした瞬間に豊かにしてくれるんだなということを感じさせるてくれる谷口さんの作品でした。