作品の概要:「桜の守の満開の下」
1971年、”多摩市”は制定された。一部地域はニュータウンとして開発され、1972年から入居が開始された。
桜の樹形は人口ピラミッドを表しており、年輪を移動することで、人口の推移が可視化される。
日本の東京で、多摩市が紡いできた”これまで”を見つめる。
子供は床にある年輪の模様の中心は周辺を行き来し桜の樹形を変えて楽しみ、多摩に長く住む住民は年代ごとの人口の推移をもした桜の樹形にかつての多摩の思いを馳せる。こちらの作品のタイトルは坂口安吾著の「桜の森の満開の下」のまた人口の統計データは、多摩市の市役所に問い合わせて手に入れたそうです。
「最初は人口ピラミッドが木の樹形に見えるなって。儚さとか人が感じる気持ちとか桜の木に例えられることがあるよねって感じで、坂口安吾の「桜の森の満開の下」があるじゃないですか。桜の森は人がいないと綺麗すぎて恐ろしいよねって、人口がどんどん減っていっちゃうのは寂しいよねって、そういうので森を守というふうにしてテーマも決めました。」
また各時代は直線で過去から未来と表すのではなく、年輪をイメージを利用することで鑑賞者が内側と外側を歩き回りながら日本と多摩の人口の時代ごとの推移を体験できるようにしたとのことでした。
直感的なイメージから、自分の読書体験、プログラミングを横断して作品制作をしている熊田さん。
何かと何かをMIXさせると世界観が広がる感じがするとのことで、今回は小説のイメージをプログラミングを利用した作品を制作し、目の前で見えてるプロジェクションマッピングだけではなく世界観まで考えていたとのこと。
桜が散るアニメーションについては、後輩の学生の力を借りて制作したとのことでした。自身でグラフを可視化してもピラミッド型で今は壺型なのがよくわかったそうで、ニュータウン開発では親世代と子供世代の流入が多いくなったのことも印象的だったのこと。展示中に鑑賞者が今後どうしたらいいんだろうねとお話しすることもあったようです。
熊田さんは明星大学に入る前に専門学校に行っており、博物館学を学んでいたこともあったそうだ。その時代の友達も展示会場に来てくれたようで、インタラクティブな作品を制作している熊田さんに驚いていたとのこと。
作品制作にあたって、さまざまな分野を横断して組み合わせて自分の世界観を表現する熊田さん。次はどんな世界観の作品を制作してくれるのか、次回作が待ちどうしいですね。