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情報学科オープンラボ主催:デザイン学科&情報学部共同ワークショップ『Robotic Drum Machineの制作と演奏体験』

workshop

オープンラボ主催デザイン学科&情報学科共同ワークショップが2024年2月22日、29日の2日間に渡り開催されました。今回のワークショップはデザイン学科と情報学科の学部学科間の垣根を超えた共同ワークショップであり、OpenLab初の試みとなりました。参加者はデザイン学科と情報学科の学部1年生から大学院生まで合わせて18名(デザイン:10名、情報:8名)が参加していただきました。

 

今回のワークショップは2月22日、29日の2日間に渡り開催し、『Robotic Drum Machineの制作と演奏体験』と題して、リズム生成の理論から、ドラムマシンの制作、プログラミングによる制御、ドラムマシーンによる演奏会を行いました。1日目にはShop Botを用いてドラムマシンの外装となる棚を制作し、2日目にリズム生成の理論をコンピュータを使わずに体験、ドラムマシンを制作しプログラミングによって演奏制御を行いました。

 

 

2名の特別講師を招待

本ワークショップを開催するにあたり特別講師として、情報科学芸術大学院大学の卒業生でコンピュータ音楽を専門にメディア・アート作品や広告プロジェクト、ライブイベント演出などを手掛ける大石彰誠先生と、本学情報学部を卒業し、Yahoo! JAPAN HackDayや芸術科学会NICOGRAPHなどで多くの受領歴を持つ、株式会社スタジオ・アルカナの遠藤勝也先生を招待しました。

 

Day1 : Shop Botによるドラムマシンの外装制作

1日目は、デザイン学部が所有する大型CNC加工機Shop Botを使用させて頂き、大きな木板からドラムマシンの外装部分となる棚を切り出し、組み立てまで行いました。

 

Shop Botはイラストソフトで作成したパスデータに沿って、ドリルで板を削り出すことができる大型の切削加工機(CNC)です。CNCはレーザーカッターと異なり、焼き後や煤がでないため仕上がりが綺麗で、Shop Botの様な大型のCNCであれば、椅子やテーブルや棚などの家具も作ることが可能になります。

 

 

今回作る棚のデータは、あらかじめ実習指導員の菊池さんがご用意してくださいました。データは3DCAD(Fusion 360)で制作した後、パーツ毎に分解し、イラストソフト(Adobe Illustrator)で切り出すパスのデータに変換します。そのデータを今度はCAMソフト(VCarve Pro)でShop Botの動作手順となるg-codeに変換します。

 

 

ShopBotを始めて触る学生も多く、デザイン学部の実習指導員である笛木さんから、加工手順や今後CNCを扱う上での注意点について詳しく説明して頂きました。
切り出したパーツのばりを取るため、参加者全員で角にヤスリをかけました。ヤスリをかけすぎると寸法が変わってしまうので注意です!
綺麗にヤスリをかけた後は、ボンドで接着し組み立てて行きます。デザインと情報の学生みんなで協力し、4つの棚を完成させました。この棚が一体どんなドラムマシーンになるのか楽しみです!

 

Day2 : アンプラグドコンピューティングによるリズム生成体験とドラムマシンの制作

2日目は、1日目に制作した棚を改良しドラムマシンに仕上げ、プログラムで制御し演奏会を行います。しかし、ドラムマシーンに綺麗orおもしろい演奏をさせるには、ドラムの打つ速さや、順番、ルールなどを考える必要があります。そのため、ますは人間自らがドラムマシンの気持ちになって演奏する必要があります。
そこで、特別講師の大石先生指導の元、アンプラグドコンピューティングによるリズム生成を参加者に体験して頂きました。
アンプラグドコンピューティングでは、コンピュータのif文やfor文などの処理手順(フロー)を擬似的に人間がこなしていき、フローを自らの体で体験します。

 

今回は、ドラムマシンの気持ちになるべく、参加者の皆さんに円形に座ってもらい、手元に3つの叩くものを用意しました。参加者は、蛇居拳算というルールに従い、前の人が叩いた物と自分が1回前に叩いた物を比較し、3つの物から叩く物を決めて次の人に渡していくという中々に難しい演奏をして頂きました。
皆さん、最初は苦戦していましたが、コツを掴むと徐々にリズミカルに演奏することができていました。

 

アンプラグドコンピューティングによるリズム生成を体験した後は、ドラムマシンのドラムを制御するためのハードウェアとプログラミングについて、特別講師の遠藤先生からレクチャーがありました。
プログラミング未経験者の学生も自分のPCからマイコン(M5StickC)に制御信号を送信することができるようになりました!デザイン学科の学生の中にはプログラミング経験者や音楽とプログラミングに興味を持って来てくれた学生も多く、真剣かつ楽しそうに取り組む姿が見られました。

 

 

午後からは、ドラムマシーンの制作にとりかかります。
午前中に参加者の皆さんがプログラムを書き込んだマイコンをドラムマシンに組み込みます。マイコンにはステッピングモータが配線されていて、モータの先端に物を叩く様にバチが取り付けられています。PCから信号が送られてくるとマイコンがステッピングモータを回転させ、物を叩く様になっています。

 

ドラムマシンの動作部部が完成したら、今度は、ドラムのリズム(アルゴリズム)を考えます。2班に開かれ、午前中に体験した蛇居拳算の様な周期的なリズムを考えました。また、棚に叩く物や配置をどんな順番にしたらおもしろいかなど、各班工夫を凝らしていました。

 

そして、各班準備が整った所で演奏会のスタートです!
下記に実際にドラムマシーンが演奏している動画を載せています。


最初は不規則にも聞こえたリズムは徐々に規則性をみつけられる程に、みんな聞き入っていました。ドラムマシンの叩くリズムと光に照らされた瓶や缶のシルエットが、どこかインスタレーションの様に見るものを惹きつけ、ドラムマシンが奏でる機械的なリズムもどこか心地よく感じる瞬間がありました。

 

最後に

冒頭でも述べたように、今回のワークショップはデザイン学科と情報学科の学部学科間の垣根を超えた共同ワークショップであり、両学科でも初の試みであったことから、慎重かつチャレンジングに開催準備を進めてまいりました。
今回のワークショップを開催するにあたり、デザイン学部武藤努教授、三本松淳准教授、情報学部和田康孝教授ら三名の先生方のご協力により、初の試みでありながらも無事に大成功を収めることができました。ご協力くださいました、三名の先生方に心より感謝申し上げます。
また、Shop Botによる棚の制作をサポートしてくださった、デザイン学科実習指導員の笛木陽一郎さん、古澤吉恵さん、ワークショップの企画から進行、制作をサポートしてくださった情報学科実習指導員の武富拓也さん、菊池康太さん、特別講師を引き受けて頂いた大石彰誠先生、遠藤勝也先生、2日間参加してくださったデザイン学科、情報学科の学生の皆様にも厚く感謝申し上げます。

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